薬剤師が解説する市販の胃腸薬・整腸剤の選び方【2026年版】

市販薬・サプリ

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を推奨するものではありません。症状が続く場合は、医師・薬剤師にご相談ください。

はじめに

「胃が重い」「お腹の調子が悪い」「なんとなく腸の調子が良くない」。そんな悩みを抱えて薬局に行き、種類の多さに迷った経験はありませんか?

胃腸薬・整腸剤は、市販薬の中でも特に種類が多く、「どれを選べばいいかわからない」という声をよく聞きます。

この記事では、元病院薬剤師の視点から、成分ごとの特徴と選び方の目安をお伝えします。市販薬はあくまで一時的な対処のためのものです。症状が続く、悪化するといった場合は、医療機関を受診してください。

まず確認!「胃腸薬」と「整腸剤」の違い

胃腸薬と整腸剤は、そもそも目的が違います。

胃腸薬は、胃痛・胃もたれ・胸やけ・吐き気などの症状をやわらげるためのものです。制酸剤、消化酵素、胃酸の分泌を抑える成分などが配合されています。

整腸剤は、腸内環境を整えることを目的にしたものです。乳酸菌・ビフィズス菌・酪酸菌などの生菌が配合されています。多くは「指定医薬部外品」に分類されます。

胃腸薬整腸剤
主な目的症状をやわらげる腸内環境を整える
主な成分制酸剤、消化酵素など乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌など
実感までの目安比較的早いことが多い個人差があり、続けて様子を見る
向いている症状の目安胃痛、胸やけ、胃もたれ軟便、便秘、お腹の張り

症状別・市販薬の選び方の目安

① 胃痛・さしこむような痛みがあるとき

主な成分:ブチルスコポラミン臭化物、ロートエキス

胃や腸の筋肉の過剰な収縮をやわらげる成分です。

使う前に相談が必要な人:緑内障の方、前立腺肥大などで尿が出にくい方、心臓病の方、高齢の方など。服用後に目のかすみなどが起こることがあるため、車の運転は控えてください。

代表的な商品:ブスコパンA錠(エスエス製薬)


② 胃もたれ・食べすぎが気になるとき

主な成分:消化酵素、健胃生薬、制酸剤など

食べすぎや飲みすぎのあとの胃もたれには、消化を助ける酵素や、胃の働きを助ける生薬が配合された薬が使われます。

代表的な商品:太田胃散(太田胃散)


③ 胸やけ・酸っぱいものが上がってくる感じがするとき

主な成分:H2ブロッカー(ファモチジンなど)、制酸剤

胃酸の分泌を抑える「H2ブロッカー」は、もともと病院で処方されていた成分です。市販薬では第1類医薬品にあたり、購入時に薬剤師からの説明が必要です。

代表的な商品:ガスター10(第一三共ヘルスケア)


胸やけが何度も繰り返す場合は、逆流性食道炎などの可能性もあります。自己判断で長く飲み続けず、医療機関に相談してください。

④ 下痢が続くとき

主な成分:ロペラミド塩酸塩、タンニン酸ベルベリンなど

下痢の原因は、食あたり、ウイルス、ストレスなどさまざまで、原因によって対応が変わります。

💊 薬剤師メモ:食あたりやウイルス性の胃腸炎による下痢は、体が原因を外に出そうとしている反応でもあります。下痢止めで無理に止めない方がよい場合があるので、発熱や血便があるとき、吐き気が強いときは、下痢止めを使う前に受診してください。水分補給には経口補水液が向いています。

代表的な商品:ストッパ下痢止めEX(ライオン)


★ロペラミド配合の下痢止めは、15歳未満は使えないなど年齢の制限があります。添付文書で確認してください。

⑤ 便秘・お腹の張りが気になるとき

主な成分:ビフィズス菌・酪酸菌などの生菌、酸化マグネシウム、センナなど

便秘には、整腸剤のほか、便をやわらかくする酸化マグネシウムなども使われます。

  • 酸化マグネシウム:腎臓の病気がある方は、使う前に医師に相談してください。
  • センナなどの刺激性の下剤:効き目が早い一方、続けて使うと効きにくくなることが指摘されています。長く使うのは避けましょう。

薬剤師が常備薬としてよく挙げる3製品

新ビオフェルミンS錠(ビオフェルミン製薬)

乳酸菌3種(フェーカリス菌・アシドフィルス菌・ビフィズス菌)を配合した整腸剤です。指定医薬部外品で、効能は「整腸(便通を整える)」「軟便」「便秘」「腹部膨満感」です。

★錠剤は5歳から飲めます。小さい子には細粒タイプもあります。対象年齢は商品ページで確認してください。


ビオスリーHi錠(東亜薬品)

酪酸菌・糖化菌・乳酸菌の3種を配合した整腸剤です。酪酸菌は、腸内で「酪酸」をつくる菌として知られ、近年研究が進んでいます。こちらも指定医薬部外品で、整腸・軟便・便秘などに使われます。


💊 薬剤師メモ:整腸剤は、数日で判断せず、続けて様子を見るのが一般的です。体感には個人差があります。

市販薬を使うときに知っておきたいこと

① こんなときは、すぐに受診を

次のような症状があるときは、市販薬で様子を見ずに、早めに医療機関を受診してください。

  • 黒い便(タールのような便)が出る、血便がある
  • 吐いたものに血が混じる
  • 急に体重が減った
  • 食べ物が飲み込みにくい
  • 激しい腹痛、高熱がある
  • 症状が2週間以上続く、または何度も繰り返す

胃薬で症状が一時的に軽くなると、背景にある病気に気づくのが遅れることがあります。長く続くときは、消化器内科の受診を検討してください。

② 他の薬との飲み合わせに注意

胃腸薬の中には、一緒に飲むと、ほかの薬の吸収に影響するものがあります。処方薬を飲んでいる方は、お薬手帳を持って薬剤師に相談してください。

③ 整腸剤と抗菌薬(抗生物質)を一緒に飲む場合

抗菌薬は腸内の細菌全体に影響するため、整腸剤の菌も影響を受けることがあります。飲むタイミングは、処方した医師や薬剤師に確認してください。

まとめ

症状の目安参考になる市販薬
胃痛・さしこむ痛みブスコパンA錠
胃もたれ・食べすぎ太田胃散、キャベジンコーワα
胸やけ・酸っぱい感じガスター10(第1類医薬品)
下痢(急性・一時的)ストッパ下痢止めEX(発熱・血便があるときは受診を)
軟便・便秘・お腹の張り新ビオフェルミンS錠、ビオスリーHi錠

市販薬は、自分の症状に合わせて上手に活用してください。迷ったときや症状が良くならないときは、薬局の薬剤師に気軽に相談してくださいね。

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