薬剤師過剰時代に生き残るキャリア戦略【今から備えるべきこと】

薬剤師コラム

はじめに

「薬剤師は将来も安定した職業」——そう思っている方は多いかもしれません。しかし、近年の業界動向を見ると、薬剤師を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。

「薬剤師過剰時代」という言葉をご存知でしょうか。厚生労働省の推計によると、2045年頃には薬剤師の需要と供給のバランスが逆転し、薬剤師が余る時代が来ると予測されています。国家資格を持っていれば安泰、という時代は終わりつつあるのかもしれません。

この記事では、薬剤師過剰時代の実態と、これからのキャリアをどう考えるべきかについてお伝えします。


なぜ「薬剤師過剰時代」が来るのか

薬剤師が過剰になると言われる背景には、いくつかの要因があります。

薬学部の増加による供給増

2006年に薬学部が6年制に移行して以降、全国の薬学部・薬科大学の数は増加を続けました。毎年約1万人以上の薬剤師が新たに誕生しており、供給数は増え続けています。

調剤業務の自動化・機械化

調剤ロボットや自動分包機の普及により、これまで薬剤師が担っていた調剤業務の一部が機械に置き換わりつつあります。薬局によっては、調剤業務の大半を機械が担うケースも出てきています。

オンライン服薬指導の普及

2020年以降、オンライン診療・オンライン服薬指導が解禁・拡大され、薬剤師が患者さんと対面しなくてもサービスを提供できる環境が整いつつあります。1人の薬剤師がより多くの患者さんに対応できるようになることで、必要な薬剤師数が減少する可能性があります。


過剰時代に「選ばれる薬剤師」になるために

では、薬剤師過剰時代に生き残るためにはどうすればいいのでしょうか。大切なのは「資格を持っているだけの薬剤師」から脱却し、専門性・経験・人間力を掛け合わせた薬剤師になることです。

専門性を高める

がん薬物療法認定薬剤師・感染制御専門薬剤師・在宅療養支援認定薬剤師など、特定の分野に特化した資格・認定を取得することで、他の薬剤師との差別化が図れます。「この分野ならこの薬剤師に任せたい」と思われる存在になることが、過剰時代を生き抜くカギです。

コミュニケーション力・対人力を磨く

機械やAIが代替できない部分は、患者さんとの信頼関係の構築や、きめ細かいコミュニケーションです。「この薬剤師に相談したい」と思ってもらえる対人力は、どの職場でも価値を持ち続けます。

マネジメント・管理能力を身につける

管理薬剤師や店長・エリアマネージャーなど、マネジメントポジションに就くことで、単純な調剤業務とは異なる価値を発揮できます。チームをまとめる力・数字を管理する力は、薬剤師としてのキャリアの幅を大きく広げます。

情報発信・副業で収入源を多様化する

薬剤師の資格と知識を活かして、ブログやSNSで情報発信したり、医療ライターや薬剤師講師として副業収入を得るという選択肢も増えています。本業一本に依存しない働き方を意識することも、これからの時代には重要な視点です。


転職・キャリアチェンジを考えるなら今がチャンス

薬剤師過剰時代が本格化する前の今は、転職市場においてまだ薬剤師の需要が高い時期です。求人数も多く、転職エージェントを通じて条件交渉がしやすい環境が続いています。

「いつか転職しようかな」と考えているなら、早めに動き始めることをおすすめします。過剰時代が進んでから転職しようとすると、選べる職場の幅が狭まる可能性があるからです。

転職の際は、単に「今より給与が高い職場」を選ぶだけでなく、「5年後・10年後も必要とされる職場・キャリア」を意識して選ぶことが大切です。


おわりに

薬剤師の資格は、これからも価値あるものです。ただし、「資格を持っているだけ」では通用しない時代が近づいていることも事実です。

専門性・対人力・情報発信など、自分ならではの強みを磨きながら、変化に柔軟に対応できる薬剤師でいることが、これからのキャリアを豊かにする一番の近道だと感じています。あなた自身の強みは何か、ぜひ一度じっくり考えてみてください。



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