5月・6月も花粉症が続く理由とは?イネ科花粉の症状と対策を薬剤師が解説

薬剤師コラム

「スギ・ヒノキの季節が終わったのに、まだ鼻水やくしゃみが止まらない…」

そんな経験はありませんか?実は5月〜8月にかけてはイネ科植物の花粉が飛散するシーズンです。スギ・ヒノキ花粉症とは別に、イネ科花粉症を持っている方も多く、知らないうちに症状が重なっているケースも少なくありません。

元病院薬剤師の私が、イネ科花粉の特徴・症状・市販薬と処方薬の違いまでわかりやすく解説します。

⚠️ 本記事は健康情報の提供を目的としています。症状が重い・薬で改善しない場合は耳鼻咽喉科・アレルギー科を受診してください。


イネ科花粉とは?

イネ科植物の花粉は、道端・河川敷・公園などに生えるイネ科の雑草から飛散します。代表的な植物は以下の通りです。

植物名主な飛散時期飛散場所
カモガヤ5月〜8月道端・河川敷・牧草地
オオアワガエリ5月〜8月牧草地・道端
ハルガヤ4月〜6月草地・公園
ネズミムギ5月〜7月道端・空き地

スギ・ヒノキと異なり、イネ科花粉は飛散距離が短く地面近くを飛ぶのが特徴です。そのため「外を歩いたとき」「公園・河川敷に行ったとき」に症状が強く出る傾向があります。


イネ科花粉症の症状の特徴

スギ・ヒノキ花粉症と症状は似ていますが、以下の違いがあります。

症状スギ・ヒノキイネ科
くしゃみ・鼻水◎ 多い◎ 多い
目のかゆみ◎ 強い○ 中程度
咳・喉のかゆみ○ 出やすい
皮膚のかゆみ○ 出やすい
症状が出る場所広範囲屋外・草むら周辺

💊 薬剤師メモ:スギとイネ科の両方に感作されている方は、春から夏にかけて長期間症状が続きます。「春に治ったと思ったらまた始まった」という方は、イネ科の可能性を疑ってみましょう。


市販薬で対処できる?OTC花粉症薬の種類

第2世代抗ヒスタミン薬(飲み薬)

鼻水・くしゃみ・目のかゆみなど花粉症の主な症状を幅広く抑えます。眠気が出にくい第2世代が主流です。

代表的な市販薬:

  • アレグラFX(フェキソフェナジン)
  • クラリチンEX(ロラタジン)
  • アレジオン20(エピナスチン)

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点鼻薬

鼻づまり・鼻水に直接アプローチできます。飲み薬と組み合わせて使うと効果的です。

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目薬(抗アレルギー点眼薬)

目のかゆみ・充血が強い場合は、抗アレルギー成分配合の目薬を合わせて使うと効果的です。

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マスク・空気清浄機

イネ科花粉は飛散距離が短いため、外出時のマスク着用が非常に有効です。

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市販薬では改善しない場合は処方薬へ

市販薬を使っても十分に改善しない場合や、症状が毎年ひどい方には耳鼻咽喉科・アレルギー科での処方薬が大きな選択肢になります。


処方薬①:点鼻ステロイド薬

代表薬:フルチカゾン(フルナーゼ)・モメタゾン(ナゾネックス)・ベクロメタゾン等

アレルギー性鼻炎治療のガイドラインで最も推奨度が高い治療薬です。ステロイドと聞くと不安を感じる方もいますが、点鼻薬は全身への吸収がほとんどなく、長期使用しても安全性が高いとされています。

市販の点鼻薬より持続的・根本的な効果が期待できるため、毎年花粉症がひどい方には特におすすめしたい薬です。

💊 薬剤師メモ:点鼻ステロイドは「使い始めてすぐ効く」薬ではなく、数日〜1週間継続して使うことで効果が出てきます。症状が出る前から使い始める「初期療法」が効果的です。


処方薬②:抗ロイコトリエン薬

代表薬:モンテルカスト(キプレス・シングレア)・プランルカスト(オノン)

特に鼻づまりに効果が高い薬です。抗ヒスタミン薬が効きにくい「鼻づまり型」の花粉症の方に処方されることが多く、点鼻ステロイドと組み合わせて使われるケースもあります。眠気が出にくいのも特徴で、日中も活動しやすいです。


処方薬③:処方の抗ヒスタミン薬

代表薬:ビラスチン(ビラノア)・ルパタジン(ルパフィン)・デスロラタジン(デザレックス)等

市販薬にも同成分のものがありますが、処方薬の方が用量・コスト面で有利な場合があります。また市販薬では買えない最新世代の成分もあり、「市販薬では効かなかった」という方に試してほしい薬です。


処方薬④:アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)

スギ花粉・ダニアレルギーに対しては、舌下免疫療法(シダトレン・ミティキュア等)が保険適用で受けられます。毎日少量のアレルゲンを舌下に投与し続けることで、アレルギー反応そのものを和らげる根本的な治療法です。

重要な注意点: 現在日本で保険適用されている舌下免疫療法はスギ花粉とダニのみです。イネ科花粉に対する舌下免疫療法は、2024年時点では日本未承認のため、イネ科単独の花粉症には適用されません。

イネ科花粉症の根本的な治療を希望する場合は、アレルギー専門医への相談が必要です。


処方薬⑤:抗ヒスタミン点眼薬・ステロイド点眼薬

目の症状が強い場合、市販の目薬より効果が高い処方点眼薬が選択肢になります。症状が重い・角膜への影響が心配な方は眼科への受診をおすすめします。


市販薬と処方薬、どちらを選ぶべき?

状況おすすめ
症状が軽い・初めての花粉症市販薬で様子をみる
市販薬を飲んでも効果が不十分耳鼻科・アレルギー科を受診
毎年症状がひどく仕事・生活に支障が出る処方薬(点鼻ステロイド等)を検討
根本的に体質を変えたい免疫療法(スギ・ダニのみ保険適用)を相談
鼻づまりが特に強い抗ロイコトリエン薬を医師に相談

日常生活でできるイネ科花粉対策

  • 河川敷・公園の草むら周辺を避ける:イネ科花粉は地面近くを飛ぶため特に注意
  • 外出後は着替え・洗顔・うがいを習慣化
  • 窓・換気扇を閉める:特に風の強い日・晴れた午前中
  • 洗濯物を外に干さない:花粉が衣類に付着する
  • 乳酸菌・ビタミンD摂取で腸内環境・免疫を整える:予防的なサプリケアとして

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まとめ

5月・6月の花粉症はイネ科植物が主な原因です。スギ・ヒノキと同じ市販薬でも効果はありますが、症状が強い・長引く場合は処方薬(特に点鼻ステロイド・抗ロイコトリエン薬)が大きな効果を発揮します。

「市販薬を飲んでいるのに効かない」と感じている方は、ぜひ耳鼻咽喉科・アレルギー科に相談してみてください。


この記事を書いた人 元病院薬剤師|2児のママ|「くすりと暮らしのラボ」運営 薬剤師として培った知識をもとに、医薬品・健康についてわかりやすく発信しています。

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