調剤薬局の将来が不安な薬剤師へ|知っておきたい5つのキャリアの選択肢【元病院薬剤師が解説】

薬剤師転職

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はじめに

「このまま調剤薬局で働き続けて大丈夫なのかな」
「薬剤師は将来余るって聞くけど、自分はどうなるんだろう」

そんな不安を感じて、このページにたどり着いた方も多いと思います。

調剤薬局を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変わっています。ただ、「調剤薬局に未来がない」ということではありません。変化の方向を知れば、「今の職場で何を伸ばすか」「どこに移ると強みが活きるか」が見えてきます。

この記事では、元病院薬剤師の立場から、

  • 調剤薬局で今何が起きているのか
  • 薬剤師のキャリアの5つの選択肢
  • 自分に合う道の選び方

を、できるだけ中立にまとめます。「今すぐ転職しよう」という話ではなく、まずは選択肢を知るところから始めましょう。

調剤薬局で今、何が起きている?

① 薬剤師は「将来余る」という推計が出ている

厚生労働省の検討会が2021年にまとめた推計では、今後10年ほどは薬剤師の需要と供給は同程度で推移し、その後は供給が需要を上回る見通しです。2045年には、供給が約43〜46万人、需要が約33〜41万人と推計されています。

つまり、「薬剤師であれば誰でも引く手あまた」という時代は、少しずつ終わっていくと考えられます。

② 「薬を渡す」から「患者さんを支える」仕事へ

同じ提言では、薬剤師は「薬剤師にしかできない業務」に取り組み、それ以外の業務は機器の導入や薬剤師以外の人員の活用で効率化するべきとされています。いわゆる「対物業務から対人業務へ」の流れです。

ピッキングや分包は機械化が進み、薬剤師には服薬指導・服薬後のフォロー・在宅訪問など、人と向き合う仕事がより求められるようになっています。

③ 在宅に力を入れる薬局が評価される

2026年度の調剤報酬改定では、在宅医療に取り組む薬局への評価(在宅薬学総合体制加算)が大きく引き上げられました。設備を持っているかよりも、実際にどれだけ在宅に関わっているかが重視される方向です。

④ 処方箋のあり方も変わっている

2022年には繰り返し使える「リフィル処方箋」が導入され、2023年には「電子処方箋」の運用も始まりました。薬局と薬剤師には、患者さんの体調を継続して見守る役割がより強く求められています。

まとめると

「処方箋を正確に早くさばくだけ」の仕事は、これから少しずつ評価されにくくなります。一方で、在宅・かかりつけ・服薬フォローなど、患者さんと関わる力を持った薬剤師は、むしろ必要とされる時代です。

薬剤師のキャリア、5つの選択肢

選択肢年収の傾向向いている人注意点
① 調剤薬局に残って強みを作る今と同程度〜役職で上がる今の職場に大きな不満はない人薬局の方針次第で、在宅などの経験が積めないことも
② 病院薬剤師低めのことが多い臨床の知識を深めたい人、チーム医療に関わりたい人夜勤・当直がある病院も。年収が下がることがある
③ ドラッグストア高めのことが多い年収を上げたい人、市販薬・セルフケアに興味がある人土日勤務や品出し・レジなど薬以外の業務も
④ 在宅に力を入れる薬局手当てで上がることも患者さんとじっくり関わりたい人車の運転や、夜間・休日の対応(オンコール)があることも
⑤ 企業(製薬・治験など)職種により幅が大きい調剤以外の形で薬に関わりたい人求人が少なく、経験を問われることが多い

※年収は地域・勤務先・役職によって大きく変わります。あくまで一般的な傾向です。

① 調剤薬局に残って強みを作る

実は、一番現実的な選択肢です。「調剤薬局がだめ」なのではなく、「処方箋をさばくだけの薬剤師」の評価が下がっていくだけ。かかりつけ薬剤師や在宅の経験、認定薬剤師などを積める職場なら、今の場所で将来性を高められます。

② 病院薬剤師

病棟業務やチーム医療を通して、臨床の力をしっかり身につけられます。ただ、調剤薬局やドラッグストアより年収が低めになりやすく、夜勤や当直がある場合もあります。「キャリアの土台を作りたい」人に向いています。

③ ドラッグストア

年収を上げたい人には有力な選択肢です。調剤併設型の店舗なら、調剤の経験も活かせます。市販薬の相談に乗る力は、これからのセルフメディケーションの時代にも役立ちます。

④ 在宅に力を入れる薬局

2026年度の改定でも評価が上がった分野です。患者さんの自宅や施設を訪問し、生活に寄り添った薬の管理をします。経験を積めば、どこに行っても求められる強みになります。

⑤ 企業

製薬会社の学術・品質管理、治験に関わるCRA・CRC、MR(医薬情報担当者)などがあります。調剤とは違う形で薬に関われますが、求人は少なく、競争も激しい分野です。

あなたに合うのはどれ?タイプ別の選び方

あなたの一番の悩み検討したい選択肢
将来が不安だけど、今の職場は嫌いじゃない① 調剤に残って強みを作る
年収を上げたい③ ドラッグストア、⑤ 企業
薬剤師としての力をもっと伸ばしたい② 病院、④ 在宅
子育てと両立したい① 時短に理解がある調剤薬局、パート・派遣
今の職場では在宅などの経験が積めない④ 在宅に力を入れる薬局

元病院薬剤師として伝えたいこと

私は病院薬剤師として働いていました。その経験から、病院を検討している方に伝えたいことが2つあります。

ひとつは、身につく知識の幅の広さです。病院には内科・外科・小児科・精神科など、さまざまな科があり、科ごとに使う薬の種類が大きく違います。最初は覚えることの多さに圧倒されましたが、その分、薬剤師としての知識の引き出しは確実に増えました。この経験は、病院を離れた今も自分の土台になっています。

もうひとつは、夜勤の有無です。病院によっては夜勤や当直があり、体力面や生活リズムへの影響は小さくありません。将来の家庭や子育てのことまで考えると、「夜勤があるかどうか」は職場を選ぶうえで大きな決め手のひとつになります。病院を検討するときは、夜勤の回数や体制を必ず確認しておくのがおすすめです。

どの道にも、良い面と大変な面があります。大事なのは、「なんとなく不安」のまま動くのではなく、「自分は何を一番大事にしたいか」を先に決めること。年収、働き方、やりがいの優先順位が決まれば、選ぶべき道は自然と絞られてきます。

すぐに転職しなくてもいい

将来が不安だからといって、今すぐ転職する必要はありません。まずは、

  • 今の職場で在宅やかかりつけの経験が積めるか確認する
  • 認定薬剤師など、強みになる資格を調べる
  • 他の職場の条件を「情報として」知っておく

この3つから始めるだけでも、不安はずいぶん軽くなります。

「情報収集」に転職エージェントを使う

「他の職場の条件を知りたい」ときに便利なのが、薬剤師専門の転職エージェントです。登録すると担当者がつき、希望に合う求人を紹介してくれます。利用は無料です。

上手に使うコツ

  • 最初に「今すぐの転職は考えていない、情報がほしい」と伝える
  • 優先順位(年収・働き方・やりがい)をはっきり伝える
  • 連絡の方法や時間帯(メール中心、平日の夜など)を最初にお願いしておく
  • 2社ほどに登録して、求人と担当者の対応を比べる

薬剤師向けの転職エージェント

サービス特徴こんな人に
ファルマスタッフ日本調剤グループが運営。派遣の求人にも強く、全国に拠点がある調剤薬局で働き続けたい人、派遣も検討したい人
レバウェル薬剤師対応が早いと言われる。調剤薬局・ドラッグストアの求人が中心年収アップやドラッグストアも視野に入れたい人
アポプラス薬剤師調剤薬局のほか、企業などの求人も扱う調剤以外の働き方も知りたい人

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※求人数やサービス内容は変わることがあるので、最新の情報は各公式サイトで確認してください。

まとめ

  • 薬剤師は将来、供給が需要を上回ると推計されている
  • 調剤薬局では「薬を渡す」から「患者さんを支える」仕事への変化が進んでいる
  • 選択肢は、調剤に残って強みを作る・病院・ドラッグストア・在宅・企業の5つ
  • まずは「何を一番大事にしたいか」を決めて、情報収集から始めれば大丈夫

不安を感じた今が、キャリアを見直す一番のタイミングです。焦らず、自分に合う道を探してみてください。

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この記事を書いた人

リカファーマ|元病院薬剤師・2児のママ
記事は、公的機関の資料や業界専門紙の情報をもとに作成しています。

参考資料

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