家族にうつさない!胃腸炎の家庭内対策|吐いたときの片付けと消毒を元病院薬剤師が解説

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「夜中に子どもが吐いて、あわてて片付けたけど、これで大丈夫?」 「結局、家族全員にうつってしまった…」

秋から冬にかけては、ノロウイルスなどによる胃腸炎がはやりやすい季節です。胃腸炎のウイルスはとてもうつりやすく、片付け方を知っているかどうかで、家族への広がり方が変わります。

この記事では、元病院薬剤師で、小学生2人を育てる私が、吐いたときの片付け方と、家族にうつさないための工夫をまとめました。

わが家も上の子から下の子へ、あっという間にうつったことがあります。

⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状がひどい場合や、水分がとれない場合は、早めに医療機関を受診してください。

先に結論

  • 吐いたものの片付けは、使い捨て手袋とマスクをつけて行う
  • 胃腸炎のウイルス(ノロウイルスなど)はアルコールが効きにくい。消毒は家庭用の塩素系漂白剤を薄めて使う
  • 家族にうつさないカギは「手洗い」「トイレ」「タオル」
  • 吐いたあとの水分は、経口補水液をスプーン1杯から少しずつ
  • 水分がとれない、半日以上おしっこが出ない、ぐったりしているときは早めに受診

吐いたときの片付け方

吐いたものには、ウイルスがたくさん含まれています。乾くと空気中に舞い上がることもあるので、できるだけ早く片付けましょう。

用意するもの

  • 使い捨て手袋・マスク(あれば使い捨てエプロン)
  • ペーパータオルや古い布
  • ビニール袋(2枚)
  • 家庭用の塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムと書かれたもの)

片付けの手順

  1. 片付ける人以外は、その部屋から離れる。窓を開けて換気する
  2. 手袋とマスクをつける
  3. 吐いたものを、外側から内側に向かって、ペーパータオルでそっと拭き取る
  4. 拭き取ったものはビニール袋に入れ、薄めた漂白剤を少しかけて口をしばる
  5. 吐いた場所を、薄めた漂白剤をしみこませたペーパータオルで覆い、少しおいてから拭く。そのあと水拭きする
  6. 手袋を外したら、それも袋に入れて、もう一重の袋で包んで捨てる
  7. せっけんと流水で、ていねいに手を洗う

漂白剤の薄め方の目安

使う場所濃さの目安つくり方の例(濃度約5%の製品の場合)
吐いたもの・便がついた場所0.1%水500mL+漂白剤 約10mL
ドアノブ・手すり・トイレなど0.02%水500mL+漂白剤 約2mL

★製品によって濃度が違うので、必ず製品の表示を確認してください。

★酸性の洗剤とは絶対に混ぜないでください。有毒なガスが出ます。

★金属はさびやすくなるので、拭いたあとに水拭きをしましょう。薄めた液は作り置きせず、その日のうちに使い切ります。


服やシーツが汚れたとき

汚れを拭き取ってから、ほかの洗濯物とは分けて洗います。色が落ちてもよいものは薄めた漂白剤につけ、色ものは85℃以上の熱湯に1分以上つける方法があります。熱湯を使うときは、やけどに注意してください。

💊 薬剤師メモ:片付けセット(手袋・マスク・ペーパータオル・ビニール袋)をひとつの袋にまとめておくと、夜中でもあわてずに済みます。

家族にうつさないための暮らし方

胃腸炎のウイルスは、吐いたものや便だけでなく、それがついた手や物を通しても広がります。症状がおさまってからも、便にはしばらくウイルスが出続けるので、数日から1週間ほどは注意を続けましょう。

場面気をつけたいこと
手洗いせっけんと流水でていねいに。アルコール消毒だけでは不十分
タオル家族で共用せず、ペーパータオルか一人ずつ分ける
トイレフタを閉めて流す。便座やレバー、ドアノブを薄めた漂白剤で拭く
お風呂症状がある人は最後に入るか、シャワーだけにする
食事食器や箸を分ける。症状がある人は料理をしない
おむつ替え手袋をつけて行い、終わったらすぐ手を洗う

💊 薬剤師メモ:看病する人をなるべく一人に決めると、家族に広がりにくくなります。看病する人自身も、しっかり食べて寝て、体力を保ってくださいね。

吐いたあとの水分のとり方

吐いたり下したりすると、体から水分と塩分が一気に失われます。特に小さな子どもは脱水になりやすいので、こまめな水分補給が大事です。

  1. 吐いた直後は、胃を少し休ませる(30分〜1時間ほどが目安)
  2. 経口補水液を、スプーン1杯から少しずつ飲ませる
  3. 吐かなければ、少しずつ量を増やす
  4. 食事は、吐き気がおさまってから、おかゆやうどんなど消化のよいものを少しずつ

一度にたくさん飲むと、また吐いてしまうことがあります。「少しずつ、回数を多く」がコツです。


★経口補水液は、未開封なら常温で置いておけるものが多いので、冬の前に家に備えておくと安心です。ゼリータイプは小さな子どもでも少しずつとりやすいです。

市販の下痢止めについて

胃腸炎のときの下痢は、ウイルスを体の外に出そうとする働きでもあります。自己判断で下痢止めを使うと、かえって長引くことがあるので、特に子どもには使わず、医師や薬剤師に相談してください。

こんなときは早めに受診を

次のようなときは、家で様子を見ずに医療機関を受診してください。

  • 水分をとっても吐いてしまい、ほとんど飲めない
  • 半日以上おしっこが出ていない
  • ぐったりしている、呼びかけへの反応がうすい
  • 便に血が混じる
  • おなかの痛みが強い、高い熱が続く

夜間や休日に迷ったときは、「#8000(子ども医療電話相談)」に相談できます。

よくある質問

Q. アルコールスプレーでは効かないの?

A. ノロウイルスなど胃腸炎のウイルスには、アルコールが効きにくいとされています。吐いたものの片付けやトイレの消毒には、塩素系漂白剤を薄めて使いましょう。手はせっけんと流水で洗うのが基本です。

Q. 学校や保育園はいつから行ける?

A. 吐き気や下痢がおさまり、ふだんの食事がとれるようになってからが目安です。学校や園によって決まりがあるので、かかりつけ医や学校に確認してください。

Q. スポーツドリンクでもいい?

A. スポーツドリンクは、経口補水液に比べて塩分が少なく、糖分が多いものが多いです。吐いたり下したりしているときは、経口補水液がおすすめです。

まとめ

  • 吐いたものの片付けは、手袋とマスクをつけて、できるだけ早く
  • 消毒はアルコールより、薄めた塩素系漂白剤。酸性の洗剤とは混ぜない
  • 家族にうつさないカギは、手洗い・タオル・トイレ
  • 水分は経口補水液をスプーン1杯から少しずつ
  • 水分がとれない、おしっこが出ないときは早めに受診

子どもの熱や、冬に備えておきたい薬はこちらの記事でまとめています。

▶ 薬剤師が選ぶ「常備薬リスト」完全版【大人・子ども別】

▶ 子どもの解熱剤の選び方

この記事を書いた人:元病院薬剤師|小学生2人のママ|「くすりと暮らしのラボ」運営。病院での経験をもとに、家族の薬との付き合い方を発信しています。

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